私が授業「作家・作品研究」を通して感じた事

武蔵野美術大学大学院修士課程1年 油絵 松下広樹
 私は「作家・作品研究」の授業を一年間受講して、最も痛感したのは、分析及び解釈の難しさ、そして他論を受け入れる事の大切さだろう。
 前期、後期を通して、十数人の作家についての発表をした。前期は自分の好きな作家を英語で説明するというものだった。語学力の勉強にも繋がっていたように私は感じた。(前期発表した作家は建築家マヤ・リン、デザイナーメアリー・ブレアー、画家リチャード・ダッド、奈良美智等)後期は自分の好きな作家を分析、説明すると同時に「スケール」というものについて話し合った。「スケール」は全ての違い、大小の違い、印象の違い、様々な意見があった。(後期発表した作家は現代作家トーマス・ルフ、名和晃平、アレックス・カッツ、画家ズジスワフ・ベクシンスキー等)
 後期私がベクシンスキーの作品に関する解釈を発表した時、他方では全く異なる解釈があり、討論になる場面もあった。自分が尊重する作家に対する価値観が違うのは分かり切ってはいるが、実際に同じ分野に精通している者同士、否定の言葉が出たりした時、お互い引かない状態になる事もある。しかしそういう話し合いがあるから、客観的に物事を考えられるようになってくるんだと感じる。私の考えだが、このような個人の性格、価値観の違い等も「スケール」と例えられると思う。その他美術の流れについて自分達が感じている様々な矛盾、口では説明できない不思議に感じる美術以外の出来事(例えば生活用品、建物、その他全ての物体の形に対する固定認識化、個人の生活リズム、なぜ美術の話し合いを今自分達がしているのか?)そういった事全てが「スケール」であり、私生活の中で体感していても、簡略化してまとめられない高度な内容だと私は考える。自分の作品についてだが、私は自画像をメインに色々なテーマを合わせて制作を行っているが、自分の作品がどのような印象に見えるかをもう一度考えていきたいと思っている。私にとって「作家・作品研究」の授業とは学生同士が作家やその他の疑問に自分が感じている事を話し合い、周りと意見を交換し合い自分の制作や考えに対する客観性を高めていく授業だった。この授業でや知った作家さん達の情報や、学んだ事を、2年の修了制作に活かしていきたいという気持ちが強い。美術を学ぶにあたって、まだ覚醒していなかった部分が、この授業を受講する事によって目覚めた気がする。

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